大江橋クリニックの形成外科の特徴

黒子 先天性耳垂裂 重複乳頭 ひたいの瘢痕

黒子 先天性耳垂裂 重複乳頭 ひたいの瘢痕

左から:
1)眉上ホクロを切除後、切除部外側からの皮下茎島状皮弁にて再建、
2)先天性耳垂欠損に対し、耳介後面からの星形皮弁にて耳垂を再建、
3)重複乳頭を合体させ、大きめの乳頭を乳輪の中心に再建、
4)眉間の×字型の瘢痕をz形成にて浅くする(修正中)

大江橋クリニックでは、もちろん上にあげたような様々な治療を行っているのですが、それでも大江橋クリニックの形成外科は、今後院長の専門分野である耳介形成や眼瞼下垂の手術、レーザー治療などに特化して行こうと思っています。

大江橋クリニックの形成外科は現在院長が担当しています。一人でできることには限りがあり、大江橋クリニック以外で治療を受けても同じ結果になるものは、出来るだけ他の医療機関をご利用いただきたいとさえ思っています。専門分野に力を注いだ方が、社会に貢献できるのではないかと思うからです。

形成外科には、傷跡をきれいに治すための基本的な縫合技術など、すべての外科医が学ぶべき基礎的な分野と、各臓器や器官に特有の問題を解決する分野別の特殊技能とがあります。
大江橋クリニックでは、多くの形成外科(特に皮膚科医や整形外科医が「ついでに」標榜している形成外科)で行っているケガの処置や縫合、やけどの処置粉瘤やほくろの小手術などの基礎的分野は、できればそれらの医療機関にお任せしようと考えています。応急的な処置も診療の中心としていません。
それは、基本的な技量があればどの医師が担当してもそれほど大きな違いなく治るからです。

大江橋クリニックでは、例えばわきがの手術なども滅多に行いませんし、あざのレーザー治療や巻き爪の手術なども、あえて積極的には行なっていません。そうした、いわば「どこで受けてもある程度の結果が期待できる基礎的分野」は、お近くの形成外科をご利用いただく方が通院にも便利だと思います。
ありふれたホクロやシミを取るために、転んでできた傷跡を見てもらうためにわざわざ遠方からおいでになる必要はないのです。
それでは、大江橋クリニックは一体どんな治療を主にやっているのでしょうか。それは以下の記述をご覧ください。

耳の大江橋

生まれつきや外傷後の耳の変形、耳のできものを治して耳の形をきれいにする手術を得意としています。

左から スタール耳耳介偽嚢腫耳介ケロイドの例。これらはいずれも健康保険で治療しました。

大江橋クリニックは体の様々な部位の形成外科手術を行っていますが、現在最も力を入れているのは、耳の形の修正をする「耳介形成手術」です。
保険診療の適応がある疾患に対しては形成外科で手術を行い、保険適応がないもの(立ち耳など)は美容外科として自費の治療も行いますが、手術そのものは同じ医師が丁寧に行なっており、保険診療と美容診療に技術的な優劣はありません。
耳の手術は技術的難易度が高く、費用が高額になるため、適応があれば積極的に保険を適用しています。

立ち耳の例(右は術後間もなくでまだ糸が付いています)

この手術のポイントは、多くの美容外科で安易に行われている「対耳輪の軟骨を切って鋭く折り曲げる」方法ではなかなか出しにくい柔らかなカーブを出す事だと思っています。トップページの「耳の形をなおす手術にこだわっています」の欄にも解説があります。
手術以外にも耳の治療は色々行っています。詳しくは下のページ参照。もちろん手術についても書いてあります。

耳の悩みと治療の特集ページへ

美容外科だからきれいに治るとか、形成外科は美容的な希望を叶えてくれないということはなく、費用負担を除けば手術法はどちらもほぼ同じです。保険適応がないものは全額自己負担となり、消費税もかかります。

生まれつき左右の耳の形が違ったり、一般的でない変形があったり、スポーツ外傷や病気などで形が変わったりした場合、手術で治すことが可能であり、その多くは健康保険適応が認められます。
立ち耳やピアスの耳切れなど、健康保険が使えない場合は自費になりますが(その場合は美容外科扱い)、手術自体は保険診療と全く変わらない技術で、院長が手術しています。耳のケロイドの切除再建や、柔道耳などの手術も多く手がけています。

眼瞼下垂の匠

眼瞼下垂の治療は、院長のライフワークといってもよく、大江橋クリニック開業以前から勤務先の病院で「まぶた外来」を行なったり、他の病院に依頼されて出張手術を行なったりしてきました。
生まれつきある自然な二重のラインを生かし、必要であれば皮膚のたるみも同時に取るなど、美容的な側面にも配慮した手術を行っています。

下に示した写真は、ほんの一例に過ぎませんが、手術時期も術後経過も様々です。ふたえの幅も眼のぱっちり加減も様々です。大江橋クリニックの手術は、その人なりの自然さを目指しています。
多くの美容外科の宣伝写真にあるような、いかにも手術しましたと言わんばかりの「ぱっちりした二重」に仕上がっていないことにお気づきだと思います。なぜこうした(あまりぱっちりとしていない)仕上がりになっているのか、にはそれぞれに事情があります。その一部はトップページの「瞼の形をきれいにする手術が得意です」の中に解説があります。

両側


左側


両側


右側


左側


様々なタイプの瞼があり、様々な程度と原因の眼瞼下垂があります。左右で全く別人のような筋肉の厚さや脂肪の分布、想像と全く違う構造に戸惑うことも稀ではありません。条件が悪くてもある程度の結果が出せるよう、研鑽を重ねています。
しかしそれでも、結果がこちらの予想、ご本人の希望と一致しないことも残念ながら時に起こります。結果を分析し原因を探り、出来る限り次のチャンスで良い結果を出す。再チャレンジする。こうしたケースもあることは正直に申し上げなければなりません。

瞼のできもの

顔の腫瘍(できもの)は切除すると変形をきたす可能性が高く、傷跡も気になります。
特に瞼や眉に近いほくろや、眼瞼黄色腫、汗管腫、皮様嚢腫など目の周りにできやすい腫瘍は、変形を残さずきれいに取ることが難しいできものです。重瞼(二重)のラインを考慮しながらできるだけ左右対称に仕上げるためには眼の解剖をよく理解している必要があります。

この他、手術後、外傷後の傷跡をきれいになおす修正手術(仕上げ手術)や乳輪乳頭形成、出べそ(臍ヘルニア)の手術、手術や注射をしないケロイドの治療、など、美容的な考慮を必要とする皮膚・体表のトラブルなども扱っています。

初診の診察に時間がかかる

おそらく一番の特徴は、診察と説明に時間をかけることではないかと思います。患者さんがなんとか改善したいと思っている目や耳の形、傷跡や変形が、どのような原因で、どのような経緯で今こうしてここにあるのか、がとても重要だと思っています。時間をかけてそれを思い出してもらいます。それをどうやったらより自然な形に近づける事ができるのか、何が足りなくて何が余っているのか、患部を観察しながらじっくり考えます。

患者さんに伝わる言葉を探す

次に、頭に浮かんだアイディアを、多くは医学に関して、人体解剖について詳しくない目の前の患者さんに、どのような言葉で説明するか。イチョウの葉っぱなら、ガチョウの足ならイメージが掴めるか、イカのお刺身、グラウンドに埋まっている小石、日没の太陽、スイカの種、ブドウのふさ、ピラミッド、色々なものを持ち出して、身振り手振りを交えて、今の患部の状態がどのようなものであり、どこに手を加えることによって形が変わるのかを説明しようと試みます。

こちらの真剣さを伝える努力をする

紙に書いた文字や2次元の説明図では伝わらない立体的なイメージを、なんとなく思い描いてもらい、それを形にする難しさを想像してもらう事が大切だと思っています。
何よりも、こちらが手術に対して、術後の治療に対して抱いている畏れと真摯な気持ちを理解してもらいたいと思っています。

真剣さが伝わってこそ、信頼していただけるのだと思って、説明を尽くしているつもりです。それが大江橋クリニックの治療に対するスタンスです。

手術は当日のものだけでないこと

形成外科の手術を単純に一言で言えば、「正しく切って丁寧に縫う」ことに尽きます。そして、手術室で行う「手術」そのものは治療のごく一部でしかありません。

手術は患者さんがクリニックに来院し手術室に入るずっと前から準備に入っていますし、テーピングをして、抜糸をして、腫れが引くのを待っている間も術後ずっと続いています。

手術3割

研修医時代には、手術は計画3割、縫合手技3割、テープ3割、お祈り1割、と習いました。手術室で切って縫うのは手術全体のせいぜい3割くらいの重みしかなく、術前の手術計画、術後の管理が同じくらい重要で、それでも最後は神様に祈るしかない部分もあるというわけです。

手術は患部を最初に見た時から始まっている

大江橋クリニックでは、術前(普通は初診時と予約する時)に患部の写真を撮らせていただき、術者は手術室に入る直前まで写真を見て何か見落としている部分がないか考えます。消毒する前にデザインを考えてマーキングの後写真を撮り、消毒後にもう一度デザインをやり直します。

手術が終われば術者が自分で直接きちんとテーピングし、翌日には必ず再診してもらいガーゼを外して傷の状態を確認します。必要ならさらに次の日も見せてもらいます。通常1週間目に行う抜糸後も少なくとも2週間後、1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後と通っていただきます。もし100%の結果が出ていなくても、術後早めに気づいてちょっとした固定をしたり、腫れが長引いていれば内服薬の処方などで改善させられることもあるからです。

術前の説明者と違う医師が執刀したり、ガーゼを看護師が外したり、抜糸を別の医師や看護師が行なったり、施設によっては術後ろくに診察がなかったり。それでは「手術」という治療全体のごく一部しか執刀者が自ら行なっていないことになります。それで果たして本当に「良い手術」と言えるのか。

大江橋クリニックでは、一部の特殊な例外を除き、手術は最初から最後まで院長が責任を持ちます。他人に任せるなんて怖くてできません。それが大江橋クリニックのこだわりです。

健康保険は、患者さん本人やあるいは「加害者」に責任を問う事が適当でない、生まれつきの状態やかかってしまった病気やケガを治療したいときに使う事ができます。

形成外科の守備範囲に限って言えば、美容外科の一部を除き形成外科で扱うべき疾患として日本形成外科学会で定めた範囲のほとんどが健康保険の対象となります。

これらは「疾患」であって「美容」ではありません。では「美容」とは一体なんでしょう?

もっぱら美容のみを目的としている?

額や鼻に大きな傷があったとします。他人から見てもパッと目立ちます。人前に素顔で出ることがためらわれます。治したい。しかしこの傷を治すのば「美容」です。

傷あとを「瘢痕」と言いますが、瘢痕を切り取ったり、削ったりする治療には保険適応がなく(保険診療の値段である「診療報酬点数」が付けられていない)保険診療として保険者(保険の支払側)に請求することが認められていないので、治療に要する費用は全額本人負担となります。

醜い傷あとは病気とみなされない

傷跡が目立つかどうかの判断は「美醜の判断」であり、美しくないから治すというのは美容にあたります。先天異常であっても、例えば立ち耳のように「日常生活に支障がない」症状は病気とはみなされません。ご本人にとってそれがどんなに辛い症状であっても、診療報酬点数表に記載されていないものには保険が適用されません。

これは一見理不尽な制限に見えますが、国民の税金や他人が払った保険料を財源とする以上、使用目的が制限されるのは仕方がないとも言えます。治療そのものは「自分で費用を支払うことができれば」美容外科で自由に受けることができます。

美容外科は美しくなりたい人がいくところとは限りません

日本では、「他人より美しくなりたい」という目的で美容外科にかかる人は少数だと思います。多くの人が美容外科手術を受ける目的は「コンプレックス解消」であり、そのコンプレックスの原因のほとんどは怪我や病気、先天異常ですが、単にその治療法が「診療報酬点数表」に載っていないために、保険が適用されないのです。

病気でない人がより美しくなるために、などと言われることがありますが、美容外科に対するその解釈は正しくありません。「保険適応が認められるほど重症ではない」が一般的な美的水準より低い場所があり、それを標準に近く改善するために通うのが美容外科。医療関係者ですらその辺りを誤解していることがあります。

形成外科の目指すもの

歴史的には、形成外科は、戦争で手足を失ったり顔面にひどい傷を負った人たちの社会復帰を助ける、という形で発展しました。先天異常(奇形)や大やけどなどで、社会的に受け入れられがたい容貌を持つことになった人々を「正常な」外観に近づける手術もその守備範囲です。

本来皮膚科で扱われるのが自然に思える、生まれつきの「あざ」のレーザー治療が、形成外科の重要な分野となっているのも、こうした経緯によるのでしょう。

そうした場面では、「正常」の水準は概して低く、一般の人々にようやく受け入れてもらえる程度でも、「随分ましになった」だろうということになりがちです。衣服にたとえれば、袖がなかったり左右の形が違ったりするのはNGだが、ツギが当たっていても違う布地で継いであっても「何とか着られるだろう」という水準です。

形成外科の「形」優先の考え方は、機能優先型の他の診療科としばしばぶつかり合います。

例えば、関節付近の傷をきれいに治すためには関節を固定して動かさないことが非常に重要ですが、整形外科的には傷跡のきれいさよりも関節の動きが低下しないほうが大切なので、できる限り固定を避けようとします。

腹部外科手術の切開を形成外科が時間をかけて丁寧に縫合しようとすれば、重要臓器の手術が終わった後はできる限り早く麻酔から醒まして手術を終えたい外科医や麻酔科医にとっては、手術時間が延びて体調管理が難しくなるので困ったことと感じられます。

本当は美しい形態と健康な身体機能とは両立するはずなのですが、それを達成するのは容易なことではありません。

形成外科では、できるだけ再建する部位を正常な外見に近づけようとしますが、外見を優先しすぎて機能を損なうことは避けなければなりません。例えば、曲がらない指をつけられるより、切断されてしまった方が生活に便利だったりします。陥没乳頭を治すのに乳管を傷つけてしまったり、眼瞼下垂の手術で眼が閉じなくなったり、といった不都合を避けるために、手術法は常に改良され続けています。

耳や目の手術に特化していく大江橋クリニック。
様々な難しい症状を抱えた患者さんが増えることで、技術は日々研ぎ澄まされていきます。

それでは大江橋クリニックは以下のような治療は行っていないのでしょうか。
いいえ、ちゃんとやっています。ご相談があればきちんと対応しています。それも大江橋クリニックならではの、ちょっと一味違う技術で。