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重瞼(ふたえまぶた)の手術
〜 Double Eyelids 〜

いわゆる切開法で行った一例: 説明は別に記載

他院手術後の修正は執刀医の紹介状(診療情報)が必要です

大江橋クリニックの重瞼手術

美容外科の手術といえば真っ先に思い浮かぶのが二重まぶたの手術ですが、大江橋クリニックでは開院以来あまり積極的にやってきませんでした。形成外科的技術を駆使した保険適応手術の件数が多く、二重まぶたの手術をお引き受けする余裕がなかったこともありますが、一般に広く行われている埋没法(挙筋法・瞼板法)・部分切開法・全切開法という分類が、美しく自然な二重瞼を作るのには不十分である気がして、ほとんど宣伝らしい宣伝をしなかったことも原因かと思います。
自費治療を中心とした完全予約制に移行して、患者さんとじっくりお話しし細かい診察ができるようになったので、大江橋クリニックなりの方法で患者さん一人一人に向いた自然な目の形を作る一環として、二重瞼の手術を見直していこうと思います。

埋没法・切開法という区分を見直そうと思っています

大江橋クリニックでは、単純な二重まぶたの切開法(美容外科で一般的に行われている、皮膚を切除せずに切開だけして二重にする手術)は行いません。また、多くの美容外科で重瞼希望の患者さんの多数を占めるらしい「埋没法(糸をかけて二重を作る手術、高須クリニックで言う「プチ整形」)も、適応を慎重に選び、若い方に限って年間に数人程度しか行っていません。
一重瞼の人の瞼がひとえなのは、瞼の構造的になるべくして一重になっているので、単純に数カ所糸をかけたり、二重のラインに沿って切開して傷をつけたり縫ったりするだけで綺麗な二重瞼になる患者さんは少ないと思っています。
特に埋没法はお手軽なお試し手術のようなものだと考えており、するならば修正も可能なシンプルなやり方がベストだと思うので、最近流行っている「複雑に糸をかけて取れにくくする」埋没法の手術はそもそも埋没法の良さと矛盾するのではないかと思っています。

ほとんどの方にたるみがありますす

大江橋クリニックで重瞼手術を行う患者さんは、ほとんどの方にまぶたのたるみがあるため、ほぼ例外なく二重のラインに沿って数ミリ幅の皮膚を切除しています。
2〜3ミリの切除で済む比較的若い方の場合は、皮膚切除も含めて従来の「重瞼切開法」と同等の手術と考えて比較的低料金で手術していますが、皮膚を6〜7ミリ以上切除して眼輪筋や脂肪も一部取らないと瞼の形が綺麗に整わない場合は、初めから「上眼瞼たるみ取り手術」と考えて少し高めの料金設定にしています。

たるみや脂肪をとる際に眼瞼挙筋の付着部の状態を確認し、美容手術の腫れが原因で術後に眼瞼下垂が発生する危険が予測される場合は眼瞼挙筋腱膜を瞼板へ固定して手術中に目の開きを適切に調整しています。これは一部の美容外科で行っている「眼瞼下垂」の手術とほぼ同様の手術になりますが、大江橋クリニックでは重瞼手術、たるみ取り手術の一環として腱膜前転固定をする場合は、通常の重瞼手術・たるみ取り手術の料金内で行っています。

この区別はやや明瞭性に欠けるので見直そうと思っていますが、切開法・たるみとり等という呼称は美容外科では常識になってしまっているので、現在のところはこのままで料金表に載せています。

いわゆる切開法が基本です

いわゆる切開法による重瞼術(皮膚切除を含む)は最も基本的な術式です。
すべての人に適応があり手術結果も安定しています。傷はきれいに治れば目を閉じてもほとんどわかりません。

※ 従来重瞼手術の説明は、一般的な配列にならい、埋没法→小切開法→切開法の順番に記述していましたが、上に書いてあるほど簡単で安い、お手軽な手術であると誤解される危険があるため、掲載順序を変更することにしました。
埋没法や小切開法は適応に制限のある術式で、万人向けではないと考えています。

まぶたの形は人によりさまざまです。基本的には生まれつき存在するラインを尊重した方が顔全体のバランスが取れますが、目頭の部分は切開線の開始位置によって印象がだいぶ変わります。

症例 1:

症例は他院で3年前に重瞼幅の狭い埋没をしたが、目頭が末広型に近くなったため、重瞼幅は細いまま切開法でやや平行型に修正し、合わせて少 しまぶたをスッキリさせてまつげを心持ち上に向けています。

症例 2:

重瞼切開法術前 大江橋クリニック 重瞼切開法術後 大江橋クリニック

眼瞼下垂の診断希望で受診されましたが上方視・下方視で異常なく一重瞼+皮膚の延長が主症状と判断し重瞼手術を勧めました。(眉は1週間前に他院で植毛術を受けたとのことでした。その際眼瞼下垂と言われたそうです、)
ひとえ瞼が嫌でのりやアイプチで二重にしようとしたがうまくいかなかったそうで、目頭から始まる細い末広型で、ギリギリまつ毛の付け根が見えるくらいの二重が希望とのこと。皮膚を5ミリ幅で切除、瞼の縁まで下がっていた脂肪を切除、少しぱっちり目にするため眼瞼挙筋腱膜は4ミリ程前進させて固定しましたが、学生さんなので通常の重瞼切開法の料金でお支払いいただきました。
右は約2年後(23ヶ月後)の最終診察日のものです。日本人なら100%知っている超有名企業に就職が決まったとのことで報告においでくださいました。最初の手術から9ヶ月目に左目尻の脂肪を少し取り足しています。その際の切開の傷跡が少し残っています。

いわゆるくい込みとラインの硬さについて:

切開法で作る重瞼ラインの上下に眼輪筋組織をどの程度残すかによっていわゆるラインの「かたさ」「くいこみ」の程度が決まります。
かたさは、くっきりした感じ、自然な感じ、という微妙な感覚的な表現になってしまうのですが、事前に十分ご相談下さい。

脂肪切除について: それは本当に脂肪?

重瞼手術の際に脂肪を抜いて欲しいという方がありますが、本当に過剰な眼窩脂肪のために瞼が膨れている方はむしろまれで、眼輪筋の肥大の場合が多く、また白くぬるぬるとした瘢痕組織や結合織が充満していたり、涙腺が下がってはみ出しているために腫れて見える方が見られます。
どの組織をどの程度とるかは術者にお任せいただきたいと思います。

俗に「ハム」と呼ばれる術後の長引く瞼縁の腫れの原因

まれに、術後の腫れが長引き、特に瞼の縁の部分が盛り上がって数ヶ月引かない事があります。
原因には様々な事が考えられますが、通常その本体は過剰な瘢痕組織であり、瞼の肥厚性瘢痕と考えられます。ケロイドなどと同じくアトピーなどのアレルギー体質の方に多い印象があります。
高脂血症や栄養バランスの偏りなどのため術後に皮下出血を起こしたり、繰り返した再手術のためにもともと瘢痕が多く、すべて切除しきれなかったような場合にもよく起こるように思います。
このほかタバコ、利尿剤、皮膚のマッサージ、過度のアイメイクなどが影響するのではないかと考えています。
腫れは長い人では4〜6ヶ月程度続く事もありますが、徐々におさまりますので、気にして触りすぎない事が大切です。
大江橋クリニックでは、術後に美容レーザーをフルフェイスで照射するなど、腫れが速く引く工夫をしています。

いわゆる埋没法

重瞼切開法を基本としますが適応があれば埋没法も行っています

適応: 瞼が薄く、皮膚が弛んでいない人に向いています

瞼が薄く、アイプチ等で簡単に二重になる方、ピンセットの先などで押すことでラインを簡単に作れ、まばたきしなければラインが崩れない方が対象となります。
それらの方法ではラインが作れない方でも、この術式を用いることはできますが、その場合ラインは長持ちせず、いずれはとれるもの(1〜2年はもつが永続性はない)とお考えください。

長年アイプチを繰り返して皮膚が伸びてしまっている場合や、瞼の皮膚が厚く、瞼板の前に脂肪がおりてきている場合は、一時的に二重になっても、よい形を保つのは難しくなります。

切開せずに簡単に重瞼ラインを作れる方法として広まった術式ですが、一般にはいろいろと誤解があるようです。

症例 1: 瞼が薄く、皮膚が弛んでいない人に向いています

若い患者さんの症例:まだニキビの目立つ10代の学生さんです。初診時はニキビのご相談でしたが、約1ヶ月の治療でニキビが軽快したため、埋没法で重瞼を行うことにしました。瞼は比較的薄く、たるみもわずかなので、切開法よりもダウンタイムの少ない埋没方を選択しました。術後写真は手術翌日です。糸の跡がまだ目立ちますが、目を開けていれば不自然ではありません。

症例 2: 細い重瞼を希望

埋没法で末広の細い重瞼を希望されました。ダウンタイムを嫌い埋没法で行いましたが、腫れが引くと奥二重に近い地味な二重になることをご説明した上で手術しました。
上段左から 術前>術直後;
2段目 術後1日>3年後
3段目は 術直後>術後1日>3年後の瞼の傷跡です。
アイホールが狭く弛みもあまりないので、内出血さえ出なければ翌日から普通に生活できます。3年後にやや幅を広げたいと切開法の相談に来られた時に、術後写真をいただきました。

症例 3: 瞼に弛みがある症例

瞼に弛みがある症例:一重瞼ですが瞼が厚く、軽度の眼瞼下垂と皮膚の延長(たるみ)もあるため、本来埋没法には向いていない瞼です。ダウンタイムや費用の問題もあって敢えて埋没法を選択した患者さんの例です。
上段左から 術前>術後3日目>術後半年;
下段は 術前>術直後>術後3ヶ月>術後半年
の写真です。重瞼ラインを細目に取っているので、厚い瞼はかなり腫れるということを納得いただければ翌日から普通に生活できますが、皮膚のたるみが取れていないので二重にはなっているもののぱっちりとした明るい感じにはなりませんでした。
きちんと定量して皮膚を適切に切除し、眼瞼挙筋の前転を行っていればかなり印象が変わったと思います。

埋没法は仮止めと考えた法が良い?

まぶたの組織が薄く、形のつきやすい場合には、埋没法でもきれいな重瞼を作ることが可能です。
腫れも少なく、不幸にして内出血が強く起こりさえしなければ、手術直後からあまり目立たないものです。通常はガーゼも貼らずそのまま帰宅できます。
ただし、角膜(黒目)にあたる部分に埋没糸を通した結膜の傷が触れることもあり、目の中がゴロゴロした感じは翌日まで続きます。
糸の上を結膜組織が覆ってしまえば通常違和感はほとんどなくなります。
厳密には腫れは3ヶ月以上にわたって続き、重瞼幅は徐々に狭くなります。安定するのに1年以上を要することもあります。まぶたの形によっては数年でいわゆる奥二重になってしまいますが、10年以上形が変わらずきれいに保たれる方もいます。

切らないことは難しいことだと知ってください

もともと「切らなくてよい」ということで、それまで標準的な術式であった切開法に取って代わった術式ですが、切らないということは術者にとって瞼の中の構造が目に見えないという事です。
瞼の手術経験の少ない医師にとっては手探りでやっているに等しく、切開法よりもずっと「思った通りになりにくい」手術です。医師選びは重要です。

某チェーン店クリニックでは、埋没法を切開法の前に習うということを聞いたことがあります。その場合、新米の医師は、瞼の内部の筋肉の走行も血管の位置も実感として理解できないまま手術を行なうことになります。良い結果が出る方が不思議というものです。

特別な糸を使うから手術料が高い、は本当か

手術に使う糸の中には、確かに1本数千円以上する高いものもあります。しかしおそらく何万円もするものはないと思います。(特別な色素で染めて近くに寄っても目立ちにくい色の縫合糸を小ロットで作ってもらったこともありますが、それでもそんなに費用はかかりませんでした。)
埋没手術の結果を左右するのは糸の太さと、糸をかける位置であり、アレルギーなどを起こさない材質であればナイロンであろうとポリエステルであろうと新素材であろうと非吸収性の合成モノフィラメント糸であれば材質にはあまり関係はないのではないかと思います。安い糸が特に切れやすいということもありません。
確かに柔らかさや伸びはメーカーによって違い、同じ号数でも太さもまちまちですから、術者にとって結びやすい糸、縫いやすい針はあると思いますが、それならば術者は常に自分にとって最も使いやすい材料を使用すべきで、コストの安い材料を使ったから上手くいかなかったなどと手術結果を糸のせいにするのは、医療者として褒められたことではありません。
患者さんの、良い結果を得たいという気持ちにつけ込んで、より高い手術法に誘導する手段に過ぎないのですから、騙されないようにしましょう。(M社製の糸を使用するだけで手術料が数万円高くなるクリニックもあるようです)

術式の名前に惑わされないように

いわゆる1点法、2点法などといわれる方式は糸の数や結び目の数を示すのみで(しかも施設により呼び方が違うことは下の欄参照)、それぞれの糸をどのように瞼に通し、どのように結ぶかにはかなりのバリエーションがあります。
糸のかけ方によっては、糸の数を増やしてもそれぞれの糸がすぐ外れるため効果が出ない場合があります。
いわゆる瞼板法・挙筋法といわれる方式も一つの術式のバリエーションに過ぎません。それぞれの医療機関は集客のため、特殊な方法であるかのごとく宣伝しますが、そのほとんどは古くから行われている方法にわずかに工夫を加えたものです。そのようなことは経験のある医者なら誰でもできることです。
埋没法では糸の締め方(緊張のかけ方)と結膜側に出す位置を変えることによりラインの感じを変えることができます。
瞼板法は眼の中に糸が出て来て障害を起こすなどと言われることがありますが、きちんと処理してあればそのような事故はほとんど起こりません。事故が起こる原因のほとんどは、術式ではなく糸の締め方や結び方が不確実なために起こります。
いわゆる抜糸法、ビーズ法、溶ける糸での埋没法などは瘢痕化が強く起こるため、くっきりとはしているがやや不自然な重瞼に仕上がることが多く、歴史的には廃れてきた術式です。
より洗練された手術法が普及した現在、わざわざそうした古い方式をとる必要はないと考えています。
瞼の中に糸が残るのを嫌い、溶ける糸での手術を希望されたり、あるいは形が落ち着いたからと抜糸を希望される方がいますが、通常よく用いられるナイロン糸の場合も、ごく稀なナイロン糸アレルギーの場合を除き術後に瞼の中に糸が残ることはほとんど問題がなく、糸を抜くために小切開を加えたりするならば埋没法のせっかくの利点がなくなってしまいます。

1点法・2点法・3点法・・という名称について

これは3点法?6点法?
神戸花時計クリニックより引用

この施設では2点法と呼んでいますが‥
神戸花時計クリニックより引用

この施設では4点留めと呼んでいます
ヴェリテクリニック名古屋院のブログより引用

1点法・2点法・3点法‥最近では6点法などという施設もありますが、左の資料をご覧いただけばお分かりのように、ある施設の2点法が別の施設では4点法と呼ばれていたりします。
1本の糸をループにして結ぶ場合、糸が1本なので1点法、あるいは結び目が1箇所なので1点法、と考えるのが常識的なような気もしますが、通常、瞼板・皮膚にそれぞれ2箇所の穴を開けるので2点法、と呼ぶ施設の方が多いようです。
また簡便な方法ということでクイック法と呼んでいる施設も有ります。
(皮膚に糸を出す回数を増やすことで糸一本でも3点法、などと呼ぶ施設も有ります。)
6点法と言っても、使用した糸の数を見ると施設により6本、4本、3本、2本、1本と様々でした。
一般論として数が増えれば固定が強力にはなりそうですが、施設が違えば比較は意味がないのではないでしょうか。

ビーズ法はなぜ廃れたか

いったん廃れたと思われていた「ビーズ法」という術式を、あえてやる医師が徐々に増えています。
これは患者さんの間で(5chなどの不確かなネット情報として)ビーズ法をやっている医療機関を探すという現象が起こったため、それに迎合した医師が「うちでもできますよ」と始めたものではないかと思っています。

ビーズ法も、いわゆる溶ける糸(合成吸収糸)を用いた重瞼術の一種です。重瞼ラインに沿って6カ所から多ければ10カ所も、瞼板と皮膚を溶ける糸で縫い、皮膚の表面にビーズを縫い付けるように糸を結ぶためこの名前がつきました。

炎症に伴う瘢痕化が強くおこるため、皮膚と瞼板が癒着して、重瞼ラインがしっかりとつきますが、非常に腫れる上にビーズが瞼の上に並んでいる間はとても人前には出られず、完全なダウンタイムになってしまいます。

なぜビーズを縫い付けるかというと、糸を直接皮膚の上で結んでしまうと、結び目が傷痕として皮膚の上に残り、白い点線を引いたようになってしまうためです。皮膚に傷痕を残さないために結び目にガーゼなどを挟む「ボルスター固定」という方法がありますが、それと同じ考え方です。

ビーズを挟まなければ傷が目立ってしまうほど強い瘢痕ができるから現在ではほぼ廃れたのですから、いまさら復活させるのも妙なものです。

※ ビーズ法を希望して他院で手術を受け、その結果に不満で修正の相談に来られた方もいます。その方は不自然にくっきりとしたできばえに不満で再手術を希望して受診されたのですが、ビーズ法とは元々そうしたもので、医師が下手な手術をしたわけではないようです。
間違いは、その方がビーズ法を「自然な重瞼を作る方法」と誤解したことにあったのです。手術した医師も、患者さんの希望とはいえ、手術結果についてもう少し具体的に説明すべきだったのではないでしょうか。

小切開法

症例準備中

適応:皮膚にたるみがなく、まぶたにやや厚みのある人向けです

埋没法では十分なラインが保てない場合、小切開法を用います。
脂肪をとったり厚みを調整するなどの切開法と同様な操作はある程度行えますが、皮膚を切除することはできないのでたるみのある瞼には向きません。

以前は時々行っていましたが、適応となる「弛みのない瞼」が非常に稀なため、最近10年くらいは行っていません。

編集中

他院重瞼術後の抜糸や早期の修正手術は原則的にお断りしています。手術を行った医師とご相談下さい。

糸を抜くことで症状が緩和されたり形が元に戻ったりすることは期待できません。むしろ新たな操作を加えることで症状が重症化する心配があります。